倒れている人に近づき、その耳元で「大丈夫ですか」「分かりますか」と呼びかける。また、軽く肩をたたいて反応(目を開ける・動きがある・声を出す)があるかないかを確認する。
呼びかけなどに対して反応がなければ、大きな声で「誰か来て!人が倒れています!」と助けを求めます。
傷病者の胸と腹部の動き(呼吸をするたびの上がり下がり)を見て、普段どおりの呼吸をしているか判断します。
10秒以内に、傷病者の胸や腹部の動きがない、あるいはよくわからない場合、普段どおりの呼吸でない(正常でない)と判断します。
傷病者に普段どおりの呼吸がないと判断したら、ただちに胸骨圧迫を開始します。
傷病者の胸の真ん中に、片方の手の付け根を当て、その手の上にもう一方の手を重ねて置きます。両肘をまっすぐに伸ばして手の付け根の部分に体重をかけ、傷病者の胸が少なくとも約5cm沈み込むように強く圧迫します。圧迫と圧迫の間(圧迫を緩めるとき)は、胸が元の高さに戻るまで十分に力を抜きます。
圧迫する回数は連続30回で、1分間に100~120回の速いテンポで行ないます。
片手を傷病者のおでこに当て、もう一方の手(人差し指と中指)であご先を持ち上げ、気道を確保します。
気道を確保したまま、おでこに当てた手(親指と人差し指)で傷病者の鼻をつまみ、口を大きく開けて傷病者の口を覆い、空気が漏れないように2回吹き込みます。※息を吹き込んだときに(2回とも)胸が上がるのが目標ですが、うまく胸が上がらない場合でも、吹き込みは2回までとします。
胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合わせを、傷病者が普段どおりの呼吸をしたり、目的のある仕草(目を開けたり・うめき声を上げたり・動きだすなど)をし始めるまで、または救急隊に引き継ぐまで絶え間なく続けます。
人工呼吸を実施する際は、上のような一方弁付きの人工呼吸用感染防止器具の使用をお勧めします。